中小企業の生産性向上に向けたIT利活用で最初に気にするポイント

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こんにちはkikuです。福島県本宮市を拠点として、中通り(福島市、二本松市、本宮市、郡山市、須賀川市、白河市および周辺市区町村)を中心に福島全域でITによる業務改善・業務効率化を支援しています。

「働き方改革」と最近は聞かない日が無いぐらいになりましたが、背景には未来の人口減少に伴う労働力不足があります。労働力不足の解消には

  • 働き手を増やす
  • 出生率を上げて将来の働き手を増やす
  • 労働生産性を上げる

の3つの対応策が考えられ、企業で取り組まれていることが3つ目の「労働生産性を上げる」という部分での働き方改革です。

私としてはあまり気にしたことはなかったのですが、日本の労働生産性はOECD加盟国の全35カ国の中で22位となっており、主要7カ国の中で最下位です。日本は世界の中でも労働生産性が低いほうですが、日本の中でも中小企業は大企業に比べて労働生産性が低いです。中小企業の中を地域別に見た場合、福島は上位では無いように感じます。

そこで、福島の中小企業が生産性向上に向けてITの利活用をする上で最初に気にしたほうが良いポイントをまとめました。

労働生産性とは

労働生産性という言葉自体があまり一般的ではないと思います。次の式で表されるようです。

物的労働生産性=生産量/労働量

付加価値労働生産性=付加価値額/労働量

物的労働生産性とは「産出」の対象を「生産量」「販売金額」として置いたもの、一方、付加価値労働生産性は「産出」の対象を「付加価値額」として置いたものという違いがあります。

以下のページから引用しましたが、詳しくはこちらをご参照ください。
労働生産性とは?混同しがちな定義と計算式をわかりやすく解説

労働生産性を上げるには、分母の労働量を減らすか、分子の生産性・付加価値額を高めるかの2択になります。

福島の中小企業が抱える悩み

福島に限定したことではありませんが、中小企業が抱える悩みには次のようなものがあると想定しています。この悩みが起因して結果的に生産性が低くなっているのではないでしょうか。

人手不足

福島県内の大きな市(福島市、郡山市、いわき市、会津若松市)の中小企業でもどこでもそうですが、まず地方は人材採用が厳しいという現状があります。労働力が増えないため、業務量を補うために時間でカバーするしかなく、結果労働時間が増えて残業が多くならざるを得ません。業務量を減らすことで残業を減らすと利益も減って会社存続に影響も出ますので、簡単に業務量の削減はできません。

また、社員平均年齢の上昇という課題もあります。

人材不足

労働力があったとしても、能力(各種スキル)が足りなかったり、社員の育成に苦労しているという中小企業も多いです。個人の能力が足りないことによって効率的な仕事のやり方が出来ていない部分もありますし、問題があるということに気づきにくくくなっているかもしれません。

忙しい

人手不足・人材不足と関連して、中小企業は多くの業務を限られた人数で行う必要があるため忙しく、生産性改善の活動に時間を割くことが中々出来ません。

ITを使いこなせていない部分が多い

昨今は色々なクラウドサービスが出ているため、面白いやり方や効率的に行う方法は様々あります。しかし、それが中小企業の中で活用されているかというと、まだまだという感触を持っています。私が福島でこれまでかかわりのあった中小企業を見ても、ITを活用しているといえる企業は3割ほどで、残りはまだまだ活用や改善の余地が大きくあるという認識です。紙書類でのやり取り、判子による承認・決裁プロセス、手書きの申請、などマニュアルで行っている業務というのはかなり残っている印象です。また、Excelを使って行っている場合も多いですが、関数をうまく使えていなかったり、色々なファイルで溢れかえってどれが最新か分からなくなっていたり、紙+Excelでの集計で2度手間になっていたりなど、一部非効率なやり方をしているというところもあります。

限られた資金

大企業と異なり、中小企業は投資できる資金が限られています。何に投資するにせよ、慎重にならざるを得ません。

中小企業こそITの利活用

労働生産性を上げるには、分母の労働量を減らすか、分子の生産性・付加価値額を高めるかの2択ですが、労働量を減らすというのは利益に繋がるため難しく、もうひとつの生産性を高めるという部分で対応を検討する必要があります。生産性を高めるためには様々な手段がありますが、その中でもITの利活用は効果的であると思います。中小企業が抱える問題の人手不足(人が足りない)・人材不足(能力が足りない)の2点をITの力でカバーするということです。ITがよくわからない・使いこなせなせるか不安という部分も大きいとは思いますが、分からないから手を出さないのではなく、分からないからこそ踏み込んで少しずつ理解して活用に繋げられないかを考えていくことが大事です。

中小企業のIT利活用のポイント

誰もが使いこなせるITへの投資

改善が必要な業務をシステム等のITを使って効率化するような場合、どうせやるならと色々なことを実現したくなり、様々な機能を持つ高機能な製品を選定しがちです。高機能なシステムは機能に比例して高価になりますし、機能が多い分操作も複雑になる傾向があります。中小企業の場合、高価で高機能なものよりは、社員が使いこなせるシンプルなものを選定するのが重要です。投資したからには効果を出して改善に繋げていきたいものですし、「あればよい」という機能ではなく「これは最低必要」にまずは厳選して始めることで、活用の土台が出来上がります。

スモールスタートする

今までのやり方から急激に大幅な変更をして行おうとしても、変化点に追いつくのに必死で活用までは至らず、結果使うのをやめてしまったということが多々見られます。新しいITに対しての習熟度は少しずつしか上げられないという点を意識し、一気に変えることよりも定着させることをまずは意識するのが第一歩です。少しずつ慣れることで各自の意識が「めんどくさい」「余計な仕事が増えた」から「使えるかも」「やりやすい」に変わっています。そうした上で、少しずつ必要に応じて機能を拡張していくという方法を取るほうが、最終的にはITスキルの向上にも繋がります。

スピード感を大切にする

大企業に比べて中小企業は、意思決定の早さにメリットがあります。毎月少額のコストから始められるITツールもありますので、これが良いと思ったらまず試してみることをお勧めします。クラウドサービスの場合は月額支払のものが多いですので、やってみてダメだったらやめる、ぐらいのスピード感をもって行うことで、ITに対する知識も増えてきます。高額なパッケージ製品よりクラウドを使うほうが、中小企業にはミートするかと思います。

スピード感を阻害する要因としてよくあるのが「Webや資料を読んでいいと思ったけれど、時間が無くて試せない」というものです。ITに対する優先順位が下のほうになっているためですが、今のままで1年後・3年後・5年後・10年後はどうなるだろうかという点を意識することで、行動を変えられるきっかけになるかと思います。

1人スペシャリストを育てる

ITの利活用をリードする人はやはり必要です。単に社内で一番PCに詳しい人を選ぶよりも、システムをツールとして使った場合に「こんなことも出来そう」「これはできるかな?」とアイディアを広げられそうな人を選びましょう。ITは使ってこそ意味がありますので、活用する観点で視野を広く持てる人を選ぶか、いない場合はその視点を気にかけて育てていくと良いかと思います。

まとめ

ITの利活用は、中小企業の抱える人に関する問題を解決するための1つの手段になります。

生産性の向上に向けた取り組みとして、大きくは

  1. 自力で解決する
  2. 何か(誰か)に頼って解決する

の2つの方法があります。ITの利用にはコストがかかりますが、自社の人手で行うよりも効率的もしくは効果的な別の手段があるのなら、積極的にまずは見たり試してみましょう。試すことはIT利活用の第一歩です。

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