出退勤の管理をExcelからkintoneに変えて効率化した福島県二本松市の弊社お客様の事例です。
Excelによる出退勤の管理
このお客様では、社員各自の出勤時刻・退勤時刻の管理を1つのExcelファイルで行っていました。
1社員1ファイルで作ってしまうと月の締め後の各ファイルのとりまとめ作業が大変になるため、ファイルは1月毎、シートを各社員毎にすることで、取りまとめの作業を減らすような工夫をされていました。
また、社員全員がパソコンを使う仕事ではないため、共有サーバにファイルを置いて各自のパソコンで入力するといったことができません。そこで、会社内の所定の場所にパソコンを置き、そこから出退勤用Excelファイルに社員が各自入力していくような運用を行っていました。
運用の流れは次の通りです。
- 事務担当が今月分の出退勤用Excelファイルをパソコンに置き、開いておく。(月初)
- 出勤、退勤のタイミングで時間を各自で入力する。(毎日)
- 事務担当がファイル内容を確認し、入力漏れや入力ミスなどを確認しつつ、日数・時間等の各種数字を固める(月末締め後)
Excel管理における課題
元々は打刻式のタイムカードで行っていたのですが、お客様特有の事情がありExcel管理としていました。
Excel管理に伴い、次のような課題が日々発生していました。
出勤・退勤時刻の入力ミス
出勤時刻と退勤時刻の入力はキーボードから行いますが、その時刻の書式を間違えて入れてしまっているケースが発生していました。
勤務時間は計算式で自動算出されますが、時刻の書式が違うため正しく計算されていない場合もあり、それを集計担当の経理が月末締め後のチェック時に気づいて修正する必要がありました。
使いづらさ
シートが社員名別に分かれて作られているため、自分のシートを探す手間が都度発生していました。
シート数は約30あったため、そこから自分のシートを見つけるのは思った以上に面倒な作業で、それが出勤・退勤の度に発生するため、使いづらさが日々思いとして蓄積していました。
集計作業に時間がかかる
このお客様では勤務体制が大きく2種類(通常勤務と夜勤)に分かれており、日によって変わるような社員もいるため、それぞれで違った集計を行う必要がありました。
しかし、Excelファイルではこの違いについては計算式で対応していなかったため、集計担当の経理が1社員ずつ確認して時間の計算をしていました。
また、夜勤の場合(20時~23時に出社)は翌日出勤したこととしてカウントする必要があったため、締め日前後でこの点を考慮して計算しなおすという作業が発生していました。
kintoneで出退勤アプリを作成
元々は別の業務でkintoneを導入し運用されていたため、この出勤・退勤の管理でもkintoneが使えるだろうということで提案し、アプリを作成して導入することとなりました。
改善のポイントとしては次の2つです。
- 入力しやすい事
- 集計担当者の作業の軽減
お客様独自の特殊な集計を行う必要があったので、カスタマイズを入れてアプリを作成しました。
こちらはアプリのイメージですが、月度+社員で1レコードとなるようなアプリの構成としました。テーブルで1月分の出退勤を管理するイメージです。
しかし、普段の業務でPCを使わない社員も多いことから、このまま使用してもらうのはkintoneが簡単に操作できるとはいえハードルが高いという声がありました。
そこで、別のアプローチとしてタイムカード用の画面を作り、この画面から入力してもらうようにしました。
各枠の中には社員の名前が表示されており、クリックのみで操作が可能なようにしています。
- 自分の名前をクリックする
- 「出勤」または「退勤」をクリックする
- 勤務パターンや休憩時間等のダイアログが表示されるのでクリックして進める
- 完了
キーボード入力が無くなりマウス操作のみで完結するため、今までよりも簡単にできるようになりました。
今後の展望
本記事の投稿時点(2020年7月)では運用開始して数か月した段階ですが、使いづらいという声は無く使用してもらっています。
課題としては打刻漏れがどうしても発生してしまうという点ですが、ここについては運用で声がけをしたりしてカバーしてもらうようにしています。
現状はパソコンからの操作ですが、タブレットを常設しておくことでマウスよりも早く操作できそうです。
このアプリについてはブログの別記事で詳しく解説する予定ですので、是非参考にしてください。