お客さまへの訪問や営業時に使用する社用車の管理を現在どのようにしているでしょうか?エクセルなどのスプレッドシート、紙、スケジューラーなどを駆使して管理しているようであれば、kintone(キントーン)を使うことでもっと簡単に・効率的に管理することも可能です。
社用車を管理するといっても、その内容は様々です。車検をはじめとして、自動車に関わる次のような管理が想定されます。
- 社内に全部でどれぐらいの社用車があるのか
→特に自動車を業務のメインツールとして使用している運送業・運輸業・サービス業や、支店が多いような企業 - 車検終了期限までに車検を受ける
→ディーラー等の自動車会社から事前連絡が来ないような場合、きちんと期限までに車検を受けるようチェックして動く必要がある - 自動車に関わる経費(修理、洗車、ガソリン、保険等)を管理する
→どの車にどれぐらいのお金がかかっているのか、どのような頻度で故障が発生しているのか - 社用車の購入経過年数を把握する
→買い替え時期を検討など - 社用車と社員の紐付けて管理する
→社用車毎に利用する社員が決まっている場合
このように、少し想像しただけでも会社で使用する自動車の管理内容は多岐に渡ります。今回は、意外に手間のかかる社用車を管理するシステムをkintoneアプリで実現したサンプル例をご紹介します。
目次
エクセルで車の管理している場合の想定される運用
システムを特に使わずにExcelで管理している場合、次のようなことをしていると想定されます。
- エクセルに社用車を一覧でまとめている
- 車検日の項目を入れている。車検を行った日、または次回の車検日を入れている。
- 車検が切れる前に自分で動く必要がある場合、忘れないようにスケジューラーに先々の予定を入れておく。または、月1回ファイルを開き、車検期限が近いものを都度確認している。
- 社用車にかかった経費は別Excelで管理している。紐付けは特にしていないため集計に時間がかかる。
特に車検のチェックは頻度こそ少ないですが、自動車の数が多い場合はスケジュール登録だけでも大変です。
車検と経費を管理するシステムをkintoneでアプリ化した例
エクセル管理で課題と想定されるモノに対して、次の要件を入れたシステムをkintoneで実現しようと思います。
- 社用車を一覧表示する
→Excel管理時と同じ - 社用車にかかった経費情報の登録・集計表示する
→どの車にどれぐらいの経費がかかったかを一覧表示+グラフ化で直感的にわかりやすくするため - 社用車の情報を確認した際に、関連する車検・点検履歴や修理履歴もあわせて表示する
→関連レコードで実現する - 車検日が近くなるとリマインド通知する
→先々の予定をスケジュール登録する作業を減らし自動化。抜け漏れ防止のため。 - 車検日が近いものを一覧表示する
→まとめて確認できるように - 車検日が過ぎていると次回車検期限を設定するようにリマインド通知する。または一覧表示する。
→次の車検時のリマインド通知のため。
kintoneアプリの構成
アプリとしては「社用車」と「社用車経費」の2つ作成してみました。
- 社用車・・・ナンバー、車種、色、タイプ、購入金額、車検有効終了日、車検・点検履歴、修理履歴
- 社用車経費・・・ナンバー、車種、日付、区分(車検・点検、修理、保険、洗車、給油など)、経費内容
社用車アプリ
まず画面はこのような感じです。項目は必要最低限としてみました。
ここでのポイントは車検有効終了日です。車検が切れる日を入れておき、この日付項目をリマインド通知に使用します。
運用としては次のような感じでしょうか。
- 車検有効終了日の30日前にリマインド通知をする設定をアプリに入れる。
- 車検有効終了日が近いとリマインド通知が届く。(もしくは一覧で確認する)
- それを元に車検を受ける。
- 車検を受けたら車検有効終了日を更新する。
車検が近いものは、事前に一覧の条件を作っておくと便利です。この例では、車検有効終了日<=現在日付+30日 という条件で表示しています。
<車検切れが近い一覧表示用の条件>
車検切れが近いもののみ抽出
リマインドと合わせて一覧表示も見れるようにしておくと、通知を見たけれど何も処理していないような場合でも一覧から探しやすくなります。
また、社用車経費アプリの情報を関連レコードで表示させることで、自動車の情報を確認するついでに経費も確認することができます。詳細は社用車経費アプリで見るとしても、パッと見て故障が多いのかどうかが確認できるため、オプションとしてつけても良いかと思います。
<関連レコードで車検点検履歴、修理履歴も表示>
社用車経費アプリ
このアプリは、社用車にかかった経費を管理する画面です。
自動車にかかった点検や修理の他に、日々かかるガソリン代や洗車代、毎年かかる保険代などを登録できるようにしてもいいでしょう。
経費はグラフ化しておくと状況が見えやすくなります。車種別の経費を横棒グラフで、車種と区分をクロス集計表で、区分別の割合を円グラフでなど、どのような判断をしていきたいかによって事前にグラフ定義しておくと、一覧で見るよりはるかに状況の把握がしやすくなり、アクションにもつなげやすくなります。
<車種別の経費グラフ>
<車種・区分のクロス集計>
<区分(車検・点検、修理、保険など)別の割合>
その他発展例
社用車に関わる業務をシステム管理するとなると、ここで紹介した例を発展させて、次のようなこと実装するのも考えられます。
- 車毎に保険が分かれている場合、社用車毎に保険会社の情報(会社名、TELなど)項目を追加する
- 社用毎に利用する人が決まっているのであれば、社員名のフィールドを追加する
- 支店が多いのであれば、支店フィールドを追加する
- 自動買い替えの判断用に購入日を追加し、購入後何年経過したのか分かるようにする
- 年毎の集計、メーカーごとの集計、支店ごとの集計 をするようなグラフを追加する
- リマインド通知を1回ではなく複数回にする
まとめ
社用車を利用されている会社は特に弊社のような地方の企業に多く、総務や経理で管理されている方も多いのではないかと思います。Excelにはないリマインド通知機能もkintoneには標準で用意されているため、自動車に関わる管理業務をkintone 1つでまかなうこともできます。経費も分かりやすく表示させるようにすることで、社用車が多い会社の場合は管理自体がもっと楽になると思われます。
一覧表示やグラフでの管理 + リマインド通知による自動通知 を組み合わせることで作業量を削減できる部分は多いです。ここで紹介した社用車管理システムのような用途以外でも、リマインド通知の機能を業務の中で使える場面は多いとおもいますので、アイディアを広げて活用してみましょう。